「思い」の言葉
一朶(一輪の花)
2021-12-25
「坂の上の雲」の舞台松山城から
「のぼっていく坂の上の
青い天にもし一朶の白い雲がかがやいて
いるとすれば、それのみをみつめて坂を
のぼっていくだろう」
(司馬遼太郎『坂の上の雲』より)
カウンセラー・セラピストの
姿は「黒子」です。
目立つわけでもなく
顔を売るわけでもなく
名も売るわけでもなく
そして、クライエントに対して
カリスマでもなく
絶対的な力を持った指導者でもなく
ましてや神仏でもありません。
それはクライエントのこころに
誤った影響を与えないために
カウンセラー・セラピストは
「黒子」に徹します。
あくまでも「主役」はクライエントのこころです。
「黒子」のカウンセラー・セラピストは
静かにクライエントの横にいて
耳を傾け
整理が困難な
迷い・怒り・悲しみ・憤り
を受け止めて、触れて
共に感じていきます。
そんなこころの作業を
「主役」のクライエントと
「黒子」のカウンセラー・セラピストが
粘り強く続けていくと
「一朶(一輪の花)の白い雲」が
見えてきます。
その「一朶」が「主役」と「黒子」が
心理臨床のカウンセリングを通して
共に探してきた次へのステップの
答えというものでしょう。
合 掌
…〈お知らせ〉…
髙野寺カウンセリング室は寺院の
カウンセリング室と言うこともあり
年末年始も休むことなく開室しております。
ここ最近、凶悪な事件や著名な方のご逝去があり
こころに於いて少なからず動揺が
あるかも知れません。
隠すことの出来ない「こころの揺れ」を
感じる物がありましたら、ご連絡の上
ご来室くださいませ。
丁寧
2021-12-04
良い製品は「丁寧」
に作られています。
美味しい料理も「丁寧」に作られています。
綺麗なアクセサリーも「丁寧」に作られています。
カウンセリング・セラピーも同じです。
良いカウンセリング・セラピーは「丁寧」です。
それは、クライエントのこころを扱うからです。
「丁寧」に接し…
「丁寧」に話を聞き…
「丁寧」に考え…
「丁寧」にこころに触れていく…
そこにはきっと、クライエントを
「ぞんざい」に扱う事がない
大切に守られている時間の空気が
宿っている事でしょ。
カウンセリング・セラピーを受けられる時
良いカウンセリング・セラピーか?
の基準をこの「丁寧」さと言うことで考えて
みるのも良い方法かも知れません。
合 掌
アドバイス
2021-11-02

「アドバイスをすると言うことは疑わしい
療法だ。だが一般的に大した
害もないだろう。
なぜなら大した効果もないからだ…」
(C、G、ユング)
カウンセリング、セラピーに於いては
カウンセラーからは極力「アドバイス」
と言う物はいたしません。
それは、クライエントに合う答えでは
ない事が多分にあるからです。
誰から得た答えは
所詮、他の人の答えであり
今の自分(クライエント)にピッタリとした
答えではありません。
カウンセリング、セラピーと
言う物は、そんなピッタリとした
自分の答えを見つける作業でもあります。
そこには、様々な感情が動き
悲しさや・悔しさ・情けなさ
また、涙や笑顔があります。
そんな沢山の感情を動かすことによって
ある意味、自分で自分に生き方の
「アドバイス」を与えていくことが
心理臨床のカウンセリングと言う物です。
合 掌
距離2
2021-09-30
一般的に
カウンセリング・
セラピーは自身の
生活圏外で受けるの
が良いとされています。
それは、非日常性と言うことと
プライバシーが保護されると言う
理由からです。
その様な観点からもカウンセリングに
於ける「距離」は大切な物です。
生活圏外だけにクライエントに
してみたら移動距離が多くなりますが
その分、カウンセリングとしての考える
時間が増えると言うことでもあります。
セッションを受けてみたら
お分かりになるかと思いますが
クライエントは移動中、様々なことを
考えながらカウンセリング室に向かいます。
そして、カウンセラー・セラピスト側も
セッションに向けてのこころの準備をしています。
そうです、移動している距離から
カウンセリング・セラピーは
始まっているのです。
そして、互いに挨拶を交わし
お会いした瞬間から深い話が
展開してきます。
それだけに「距離」と
言う物はこころを深めてくれる
大切なものでもあります。
合 掌
距離
2021-09-02
「気持ちは一緒に、住処であるテントは離して」
(『アラブの格言』曽野綾子)
人としては気持ちは一緒であっても
住処は離れている方がよいと言う
アラブの一つの戒めの言葉です。
カウンセリングは
カウンセラーとクライエントとの
距離感を大切にします。
お互いにルールとして
決められた日に
決められた時間内の
枠内でセッションを進めていく
ルールがあります。
それは近すぎる関係は
クライエントのこころの為に
ならないからです。
日常の生活の中では
言えないこと
言いにくいこと
言いたくないことを
クライエントは
こころを動かしながら
非日常となるセッションの場で
見つめて考えていきます。
その為にはクライエントと
カウンセラーの距離の
保ち方に対する
配慮が必要です。
気持ちは近くても遠い関係…
距離があるからこそ
クライエントのこころの為になる
深い話が出来るのでしょう。
合 掌