「思い」の言葉
距離
2021-09-02
「気持ちは一緒に、住処であるテントは離して」
(『アラブの格言』曽野綾子)
人としては気持ちは一緒であっても
住処は離れている方がよいと言う
アラブの一つの戒めの言葉です。
カウンセリングは
カウンセラーとクライエントとの
距離感を大切にします。
お互いにルールとして
決められた日に
決められた時間内の
枠内でセッションを進めていく
ルールがあります。
それは近すぎる関係は
クライエントのこころの為に
ならないからです。
日常の生活の中では
言えないこと
言いにくいこと
言いたくないことを
クライエントは
こころを動かしながら
非日常となるセッションの場で
見つめて考えていきます。
その為にはクライエントと
カウンセラーの距離の
保ち方に対する
配慮が必要です。
気持ちは近くても遠い関係…
距離があるからこそ
クライエントのこころの為になる
深い話が出来るのでしょう。
合 掌
誰にも
2021-07-31
人間、誰もが悩みが
あります。
大臣級の政治家
著名な学者
徳の高い宗教者で
あっても
誰しもがなんだかの
悩みを持って
生きています。
そして、悩みは
1つの悩みが解決
したかと思うと
また、新たな悩みが
現れてきます。
悩みはややこしいです。
悩みがなく生きられたら
どんなに楽か…
そんな楽に生きている人は
居ないと言ってよいでしょう。
それだけに人間
誰もが悩みがあって
当たり前と思うだけでも
少しは気持ちが楽に
なれるかも知れません。
合 掌
弱り目
2021-07-08
「弱り目に祟り目。」「泣き面に蜂。」
弱ったときに、さらに災難に遭う。
不運が続いてしまう。
こころの疲労が重なって
しまう時の心境です。
こころが疲弊しているとき気持ちは敏感に
なりすぎていて少しのことでも反応してしまい
気持ちに元気が出ません。
そこで、人に頼って自分の心境を話してみると
偽善的な言葉で上から目線の押しつけがましい
アドバイス。
その様な言葉を受けてしまうと余計に
こころが孤独になってしまい、先の見えない
心境になってしまいます。
こころが疲れている人に対して
大事な支援は、まず、その人の
心境の辛さを感じてあげることです。
そこには言葉はいりません。
その人の気持ちを感じてあげることが
心の支援の大切な第一歩です。
合 掌
弱音
2021-06-05
こころの健康としては
「弱音」をはくことは
大事なことです。
自分自身の弱い部分の
本音を表現することは
気持ちを楽にしてくれ
るものであります。
しかし、日常生活の中では
なかなか「弱音」をはける
ものではありません。
自身の社会的な立場や信頼が
揺らいでしまうかも知れません。
もし、弱音をはいて
否定されたり理解を
されなければ余計に
大きな傷つきと
なってしまうでしょう。
カウンセリングの場は
「弱音」を大事にし
「弱音」がはける場です。
決して否定はしませんし
クライエントを守り
こころを考慮して「弱音」を
聞いていきます。
それは「弱音」を聞くことが
クライエントの為になるからです。
こころの痛みを感じている
クライエントの為に「弱音」を
聞くことがカウンセラーの仕事です。
合 掌
盛んに
2021-05-13
「黙ってこらえているのが一番苦しい
盛んにうめき、盛んに叫び、盛んに泣くと
少し苦痛が滅ずる」 (正岡子規)
明治の文豪で日本の近代文学に
多大な影響を与えた正岡子規。
結核に苦しみ病床からの素直な気持ちが
この言葉の中に込められています。
こころに痛みが
ある時も同じ
心境です。
掴み所のない苦しみが襲い
頼ることが出来ない
1人きりの孤独感…
そんな時「盛んに」自分の
こころを表現できたら
少しでもこころが和らぐ
かも知れない…
誰かに語り
誰かに理解して
もらうだけでも
人のこころは
変わってきます。
辛いとき
苦しいとき
盛んに語ってみませんか?
ご来室をお待ちしております。
合 掌